[コメント] 悪い奴ほどよく眠る(1960/日)
「<人>じゃない。こいつは役人だ!」黒澤の大上段に構えたメッセージが振り下ろされるが、娯楽性も忘れていない。「神様」になる前の「天才」だった頃の作品。
これだけのメッセージを含んだ作品でありながら、全篇を覆う緊迫感の狭間に見え隠れするユーモア。
『七人の侍』や『用心棒』と同質のユーモアが料理の隠し味のように、作品に緩急を加え、深みが増している。
映画は娯楽であるとの認識を再確認させられる。やはり彼は娯楽映画を撮らせたら「天才」なのだ。
重いメッセージを万人に伝えたにも関わらず、観客は三船にピカレスクロマンを感じ、一級の娯楽映画を堪能させられる。まさに「天才」の手腕。
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