[コメント] THE 有頂天ホテル(2005/日)
観せる者と観る者相互の「共犯」。私はこれには与したくない。観る者の予想を遙かに上回り圧倒しようという迫力と良い意味での悪意が感じられない(悪意がないのが三谷さんですから要するに好みなのですが)。約された大団円へ向かう馴れ合い芝居に刺激のかけらもない・・・と思いきや、ただ一点、付き人(梶原善)の神速平手打ちに気概を感じた。本作に足りなかったのは、この「真摯な裏切り」であると思う。
生ぬるさに安住するのも、一種の悪意かもしれませんけどね。
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