[コメント] どろろ(2007/日)
柴崎コウが好演。まん丸な目でタンカを切る。妻夫木の動きも良く、意外にもテンポのいい展開で前半は快調(音楽はラテンアメリカ調)。しかし海外ロケはいいが、如何せん人が少なすぎる・・・。原作に固執する必要はないとは思うが、後半の展開はわざわざ「ばんもん」を作った意味が無い。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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手塚先生が、60年代の世界情勢に呼応してこのマンガを描いたことは明らかなので、この原作を中東、朝鮮半島情勢がきな臭くなっている今、映画化するのは実はタイムリーなのだ。
映画に出てくる荒野にそそり立つ壁はマンガでは「ばんもん」(板門店ですな)と呼ばれ、領地の境界線を囲んでいた。それが焼け落ちたあとも両陣営の対立は庶民レベルまで浸透し、「ばんもん」の向こうから来たというだけでスパイとみなされ、領民にリンチにあってしまう。
「ばんもん」が焼け落ちたとき、ベルリンの壁が崩壊したときのような状態が生まれるのだが、それを映像化するには大勢のエキストラが必要で、それ以前に、醍醐、金井両陣営の町の様子も描かなければならず、セットの規模も大きくなり、ニュージーランドで人員を確保するのも無理!となると、父子の葛藤に絞らなければならないのも分からぬ訳ではないが。それにしても前半に比べると尻すぼみ感がぬぐえない。
私的に良かった点は百鬼丸改造シーンが結構グロかったこと。不満な点は、キーパーソンの琵琶法師がしょぼかったこと(ハエを真っ二つにできるのでは)と、どろろの回想を端折りすぎたこと(お母さんが熱いおかゆを両手ですくうシーンが好きなんだが)。
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