[コメント] パリ、ジュテーム(2006/仏=独=リヒテンシュタイン=スイス)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
5分×18本のオムニバス。こうしたオムニバスには珍しいハズレが少ない短編集。 監督の出身などが分かると、「なるほどなあ」という視点で切り取っているのが分かる。 (1本を除いて監督自身が脚本を書いているそうだ)
以下は私の覚え書き。
モンマルトル(監督:ブリュノ・ポダリデス)
監督自身が主演。この監督作品が日本で公開されるのはこれが初めてか?本当にこの辺は車を止めるのが大変らしい、ということを知る意味では悪くない。話は、まあ・・・ねえ。
セーヌ河岸(監督:グリンダ・チャーダ)
『ベッカムに恋して』のケニア生まれの女性監督。おそらく彼女の主張はヒロインの台詞で代弁されているのだろう。可愛い話です。
マレ地区(監督:ガス・ヴァン・サント)
『サイコ』のリメイクであやうく凡庸なハリウッド監督に成り下がることろだったアメリカ・インディペンデントの雄、ガス・ヴァン・サント。彼の持つフランスイメージはホモなのか?ところでこれはコメディーなのか?
チュイルリー(監督:ジョエル&イーサン・コーエン)
ブシェ〜ミのアップで笑わせる卑怯なコーエン兄弟(笑)。ゴキゲンなコーエン節。地下鉄の構内だけだし(笑)
16区から遠く離れて(監督:ウォルター・サレス)
『セントラル・ステーション』のブラジル人監督。あ、『ダーク・ウォーター』って彼だったんだ。 16区というのは高級住宅街。タイトルはゴダールの『ベトナムから遠く離れて』からだろう。 抑制された演出で移民を描いたよくできた脚本。個人的には一番好きな話。
ショワジー門(監督:クリストファー・ドイル)
ドイルの監督2作目だそうで・・・何がやりたいのやら。撮影監督に専念したら?
バスティーユ(監督:イサベル・コイシェ(イザベル・コヘット))
『死ぬまでにしたい10のこと』の女性監督。その作品を初めて観た。 たった5分で半生を描いた珠玉の短編小説のような話。台詞を排し、心情描写のナレーション中心という手法も面白い。とても好き。
ヴィクトワール広場(監督:諏訪敦彦)
『M/OTHER』の監督ね。観てないけど。ジュリエット・ビノシュ老けたなあ。ウィレム・デフォーだなあ(笑)
エッフェル塔(監督:シルヴァン・ショメ)
傑作アニメ『ベルヴィル・ランデブー』監督の実写映画。相変わらずデブ好きだなあ(笑)。
モンソー公園(監督:アルフォンソ・キュアロン)
『トゥモロー・ワールド』で魅せた評判の長回しをここでも(笑)。オオッ!サニエちゃんだ。ニック・ノルティだ。エエッ!?リュディヴェーヌ・サニエとニック・ノルティってどんなカップリングだ?
デ・ザンファン・ルージュ地区(監督:オリヴィエ・アサイヤス)
この監督も監督作品も知らないなあ。女優の一コマかあ。『10ミニッツ・オールダー』のジャームッシュも似たようなことやってたなあ。
お祭り広場(監督:オリヴァー・シュミッツ)
南アフリカ生まれの監督。作品は観たことない。アフリカ人視点の作品。 そういや、今のフランスって黒人が多いのに黒人を中心とした映画って観たことなかったなあ。 よくまとまった短編らしい短編。
ピガール(監督:リチャード・ラグラヴェネーズ)
こいつ『フィッシャー・キング』の脚本家だろ?監督してたんだ。 ファニー・アルダンとボブ・ホスキンスだけで楽しい。話は変にヒネリすぎのような気もするが。
マドレーヌ界隈(監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ)
イライジャ・ウッド君が指輪捨てる途中にパリに寄ったって話(<ウソ)。『CUBE』のカナダ人監督ね。あれ?ドラキュラってフランスじゃねーだろ?ああ、カナダ人の目には情熱的なフランス女性が吸血鬼に見えるって話か。
ペール・ラシェーズ墓地(監督:ウェス・クレイヴン)
『スクリーム』の監督だよな、たしか。どこかで見た女優さんだと思ったら『マッチポイント』だ。個人的にオスカー・ワイルドに何の思い入れもイメージも持ってないので「オスカー・ワイルドって英国人じゃなかったか?あ、パリで死んだの?あ、そう」って感じ。
フォブール・サン・ドニ(監督:トム・ティクヴァ)
ナタポー主演。『ラン・ローラ・ラン』のドイツ人監督。なるほど。面白かった。 これは調べて知ったのだが、この辺りは移民が多く観光案内でも触れられない地域らしい。 あ、『パフューム』ってこの監督なんだ。
カルチェラタン(監督:フレデリック・オービュルタン/ジェラール・ドパルデュー)
唯一共同監督で、唯一監督と脚本が別。脚本は主演女優のジーナ・ローランズだって。ジーナ・ローランズ!ベン・ギャザラもそうだけど、貫祿だなあ。あとどこでも顔を出すドパルデュー(笑)。役者で魅せる短編。
14区(監督:アレクサンダー・ペイン)
『アバウト・シュミット』の監督なんだ。知らなんだ。 オノボリさんを描いた日本人には分かりにくい話。例えばナレーション(独白)のフランス語が下手だとか、フランス語で道を聞いたら(そのフランス語が下手なもんで)英語で答えられちゃうとか(どうやら墓地も勘違いで全然別の人らしい)。 そういう監督の笑いの意図は理解できなかったが、この映画全体を締めくくる一話としては悪くない話だと思う。
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