[コメント] ブラックブック(2006/オランダ=ベルギー=英=独)
ナチス占領下のオランダで、第二次大戦末期の陰謀と裏切りの渦巻く中、明るく健康的なお色気満点のレジスタンスの女スパイが大活躍、という話なんだが・・・戦争とはここまで人間の醜い姿をあらわにするのかと、どすんと腹にこたえる映画。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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レジスタンスの中でもユダヤ人だと軽んじられ、裏切り者呼ばわりまでされるラヘルカリス・ファン・ハウテンがあまりにあわれでないか。
最初の方で、声をかけたドイツ兵の一群に自転車の後ろの方から陽気に足を振りあげて愛嬌を振りまく明るさが、彼女をこの上なく魅力的な女性にしていただけに、余計に痛ましさを感じさせる。
それにラスト、イスラエルの入植地で家族を持ってもそこは再び中東戦争の舞台となるということを暗示するかのような終わり方。(公式サイトによればこのギブツの設定は1956年9月になっており、それは第二次中東戦争勃発の時でもある)
娯楽スパイ活劇のストーリーを使いながらも、そのあまりに生々しい演出で厭戦気分を最大限に煽り立てるとは、とんでもない映画であることは間違いない。
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