[コメント] あしたの私のつくり方(2007/日)
ひとつの助走装置としての嘘。これは、他人事としての幸せな青春は見極められても、決して自分に適合させることのできない不器用な少女の、友情の助走だ。
主人公は、「人気者になれる方法」をきちんと心得ている。それにもかかわらず、世に儘あるように彼女は自分にその方法を当てはめてゆくことができないのだ。
彼女の幸福は友人の幸福である。それを自覚してかしないでか、煩悶する彼女はとても健気に映る。そして、メカ音痴の自分には想像も付かない、TVケータイの暖かみ。少女達はこんな優しい心を最新の機器にインプットできるのか!驚きと微笑を隠せない。手紙を書けない世代と頭ごなしにこき下ろす大人たちはいるけれど、少女達は心までも失ったわけでは決してないのだ。
そして、市川準の透明感ある映像には相変わらず唸らされる。今回は複雑なカットインが幾度となく挿入されるけれど、これも決して下品には働いていない。
少女ヒロインたちもこれからが楽しみだ。成海璃子、前田敦子、いずれもTVのバラエティなどで徒らに使い果たされて欲しくない人材である。
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