[コメント] スパイダーマン3(2007/米)
「復讐」と「赦し」。このテーマを娯楽映画という枠組みの中で最大限に押し出すことにより、この作品、そしてシリーズ全体がきっちりと収束したように見えるのだけれど、どうにもそのテーマの押し出しっぷりがしつこくて安直な気がしてならない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「復讐」と「赦し」というテーマを一作目から因縁のある二つのエピソード(叔父の殺人とゴブリン)に重ねて大混戦の決着をつけることで、作品のメッセージが現代アメリカに向けて発せられているようにみえ、一見すると見栄えはいい。でもラストバトルの前に、ピーターの背景で星条旗が翻るショットはわざとらしいというか興ざめだった。
ブラックスパイダーマンを克服し、「大いなる力」を復讐のためではなく、守るべきもののために命を懸けて行使しようとしたあの瞬間において、「スパイダーマン=アメリカンヒーロー」であるとサム・ライミは強く印象付けたかったんだろうか。
シリーズ恒例ともいうべきピーターとMJのすれ違いがしつこいのと同様に、どうもこの強調の仕方がしつこく感じてしまった。
とはいえそういったことを観賞中はそこまで強く感じさせない映像と音響はすごいの一言に尽きる。駆け足ではあったけれども、『スパイダーマン』シリーズを「一人の青年と彼を取り巻く人間の物語」としてきちんと一貫させていたところや、どういうわけか親子二代にわたってスパイダーマンよりキャラが立ってしまうゴブリン父子のカッコよさも好感度が高い。そういうわけで★4。
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