[コメント] オーシャンズ13(2007/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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『オーシャンズ』シリーズは『11』『12』と共に楽しめたのだが、さすがに『13』まで来ると出し尽くした感は否めないかと途中まで思っていた。しかし、終わってみればノープロブレム。今回も、粋なエンタテインメントに楽しませていただきました!
『11』のときはスティーブン・ソダーバーグのセンスの良さに惹かれ、『12』のときは楽屋ネタだからこそのキャストの楽しみ具合に惹かれた。だが、実は『13』ではこれと言って新しい部分に惹かれたということはないのだ。でも、面白い。
ソダーバーグにしろ、主要キャストたちにしろ、微妙に「外している」。そこに魅力を感じているのかもしれない。「外しすぎた」前作、そこまで「外していない」前々作、その間を突いてきた「外し具合」が絶妙だった。
ソダーバーグの映像は、今のハリウッド大作の映像から、微妙に「外す」ことでスタイリッシュさを保っている。だが、やり過ぎていないから、派手なラスベガスを舞台にした娯楽作として、きちんと成り立っている。カメラアングルや映像テイストをちょっと変えるだけで、サイコロが転がるだけでも、カードが配られるだけでも、チップが動くだけでも、雰囲気がまったく違ってくるのが、何だかニクくて、それが心地良いのだ。
ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットは前作よりもクールさが増した。ユーモアは相変わらずなのだが、役に慣れてきた感が強まり、遊び方が巧くなっているのではないか。特にブラット・ピットに対してそう感じた。シリーズ通して、劇中よく何かを食べているが、今回“ギョーザ”を食べている場面を見て、微妙に「外れてる」感じ、今まで以上に様になっているように思えたのだ。
前々作も舞台はラスベガスだったが、今回は一泡吹かせる相手がアンディ・ガルシアからアル・パチーノに変わる。これがまた絶妙。アル・パチーノほどの大御所を、寄って集って陥れる話と考えると、それこそ普通の考えを完全に「外している」。悪役として怪演をさせるわけでもなく、以前の敵役、アンディ・ガルシアをスパイスとして使って、あっさり道化にできるとは…。
『12』のレビューでは、「『13』までは付き合ってもいいかな」と書いたが、同じノリで続くにしても、確実に普通の娯楽作とは一味違う楽しみを与えてくれそうなので、『オーシャンズ14』があっても、やはりまた付き合いたいと思い直しました。
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