[コメント] ダークナイト(2008/米)
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つまり、Jokerの二者択一は制作前から始まっていたのである。
今やハリウッド映画はアメコミじゃないと金が集まらないらしい。ファイナンスの波風がハリウッドを襲い、一時は世界中から投資があったが、企画が枯渇した時期いわゆるハリウッド冬の時代と重なりコケまくった結果、実は映画はリスキーなビジネスだと今更ながら気付き、一気に投資熱は冷え込み、堅実に回収できるアメコミ物ばかりに資金が集中するのがハリウッドの潮流となっているとのこと。
映画作家達はこの状況に絶望し、閉塞感に打ちひしがれていたわけだが、そんな中Jokerの二者択一に対しパーフェクトな答えを出したのが本作である。まさにPrestige!
一応バットマンの体裁を保つことで、金はじゃぶじゃぶ使える。そして内容はこれまでのアメコミの常識を無視した「完全な大人向け」作品。ターゲットは子供でもアメコミファンでなく、普通の大人達だ。
そして、大人の鑑賞に耐えうるどころか、最高レベルの内容を創り上げてしまったから拍手喝采なのである。
これを★5とせずにいられるか!
この作品を語る上で避けて通れないのがヒースの演技だが、これはもう凄いとしか言いようがない。そして同時に気になるのは彼の死だ。ヒースはJokerに没入する余り完全な躁状態に陥り、Insomniaから睡眠薬を大量に服用して死に至ったとのことだが、これって完全にJokerに殺されたようなもの。
ノーランは冒頭の二者択一には勝ったが、Jokerにより勝利の源泉であったJoker(=ヒース)を消されてしまったということになる。なんだか書いててわけがわからなくなってきたが、これだけは言い切れる!素晴らしい映画だ。
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