[コメント] 愛のむきだし(2008/日)
優作じゃないが、冗談だか本気だかわからないギリギリの疾走を見せる人生たちが、冗談だか本気だかわからない一線を保つが故に愛おしく思えた前半。後半は、一転してのガチンコ勝負が作劇の力量不足をさらし、泣かせがひとつとして迫ってこない。以下、懺悔部屋→
サブカルの人すべてがそうではないと思うので、こんなことを言うと怒られそうですが、彼らにはどこかオタク文化への蔑視を感じることがあります。
しかし、そんな私こそ、どこかでサブカル文化を小ばかにしていて、難癖に近いつっこみを入れたくなる瞬間が多々あったりします。
この映画に関しては、前半はそれを忘れて楽しめたのですが、後半のれなくなってくるにつれ、じょじょに悪癖が……
たとえば、私、べつに聖書にくわしいわけではないんですが、そんな私でもコリント〜の有名なくだりぐらいは知っているわけで、それを神父の息子が聞いたことないなんて、あっちゃならねえだろと、そこで物語が信用できなくなってしまうのです。
演出の意図(欲望)はわかります。要は、満島ひかりにのっかられて叫ばれたかったんだよな? そういう趣味、よ〜くわかります。でも、それ、悦楽だから。悦楽を感動に変換するにはそれこそ作り手の真摯さが問われるわけで、ご都合には嘘を嘘として観客に了解させるだけのエクスキューズを行う努力が必要だと思うんですが……
サブカル話ってえてしてこういうご都合主義が横行しているように私には思えて、そして、好きな人たちがそれをなかったことにして礼賛しまくってるのを見たりすると、そこで日本刀をふりまわしたくなる大人気ないミーを、神よ、どうか許したまえ!
そうそう、満島ひかりちゃんにときめいちゃったあなた! 金子修介の『プライド』と、あと、『モスラ2 海底の大決戦』をぜひぜひ!
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