[コメント] 私は二歳(1962/日)
つまらない素材というわけではないが、このストーリーで飽きさせないとは市川侮れずと感ずる。しかし、こと赤ん坊の立場に立ってみれば、親たちが己を癒す「大人だまし」の域を脱せないのが正直なところ。(レビューは「大人だまし」関係のグチ)
ニンジンが言いました。「ボク、○○君においしく食べてもらわないと淋しいよ」
もの言わぬ存在に都合のいいコトを喋らせて、大人だけが満足する童話の類を「大人だまし」と申します。
子供(岸田今日子CV)の言といい、途中で入る貧弱な発想のアニメーションといい、つくづくこの映画、大人だましだなぁ、と感ずる。お父さん、あなたの仕事上の悲哀に子供は同情してなんかくれませんよ。お母さん、子供はだんだんに大人になってゆく喜びを二歳にして実感してなんかくれませんよ。
…って、こんなコトは既に子供を持っている皆さんには先刻ご承知のことでしたな。どうも失礼をば。
蛇足ですが、21世紀版「私は二歳」なんてものが公開されたら、ちょっと観てみたいものではあります。親たちはどんな子供を夢に描いて己に酔うのでしょうね? 嘘のないハッピーエンドはそこに存在し得るのでしょうかね?
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