[コメント] インセプション(2010/米)
映画を見終わって足元が定まらない感覚を久しぶりに味わった。それこそ、『マトリックス』以来かもしれない。帰りの車のなかでカーステレオを切って映画の余韻に浸った。エンドロールの選曲まで、きっちり映画は世界観をサービスしてくれた。
興味があるのは、じゃあノーランのなかでこの映画の製作にあたって最初に降りてきた「インセプション」は何だったのかということ。今までも虚実入り混じった設定の作品を数多く発表してきたノーランだけれど、今回の作品は群を抜いて密度が濃かった。
たとえば、重力が転回するなかでのアクション。
たとえば、コマをまわすことで夢と現実を区別するというギミック。
たとえば、CGで街を折りたたむというアイディア。
そしてたとえば、夢の中の夢の中の夢の中の……という時空的多重構造を持ったシナリオ。
そのどれを取っても、決して「オマケの演出」ではなく、映画の主軸としてそれぞれの役割を果たしながらシーンを形成している。まるで複数の一流の作家が、いちばん描きたいものを持ち寄ったように、それぞれが大きな出力を発揮している。ひとりの人間にここまで巨大なクリエイティブが内包されていることに、呆然とするしかない。
やはり、まだまだハリウッドには巨人が棲んでいるのです。
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なんだかふわふわした観後感と夢という設定からなんとなく思いついたワードをコメント欄に書いてみたけれど、よく思い出してみたらお気に入りのピンク映画のタイトルだった。そうだー、やっぱし夢を操るとなると、エロい方向に妄想が膨らむのは当然のことなのでありまして、SODさん、『チンセプション』的なタイトルでリメイクよろしくおねがいします!エレン・ペイジたん触りたい!
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