[コメント] 仁義なき戦い(1973/日)
戦後闇市のモノクロ写真が活性化されるオープニング。戦争で地下に押し込められていた人間たちの煩悩と暴力が、占領下の混乱の中爆発する。広島弁の独特の迫力と、津島利章の素晴らしく扇情的なテーマ曲が暴力活劇に色を添える。
社会に対する悪行を捨象し、仲間内の潰し合いにフォーカスすることで、まるで猿山を眺めているような娯楽性に浸れるようになっており、後年、俳優またはTVタレントとして馴染みになるキャストの暴れっぷりを観ているだけで楽しい。今や主要キャストで存命なのは伊吹吾郎くらいになってしまったが。
梅宮、松方、渡瀬、邦衛…それぞれに見せ場がある中、やはり金子信雄の怪演が印象深い。そして、毀誉褒貶定まらない登場人物の中で一本筋を通し続ける菅原文太のキャラクタが引き立つのだ。
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