[コメント] 股旅(1973/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「シラケ」た世代だった。「シラケ」ていなければ格好悪い時代だった。
『木枯らし紋次郎』では「あっしには関わりの無い事」と時代を象徴するような名文句を吐かせ、一大ブームを引き起こした。紋次郎はいざとなったら強かった。クールだった。
私たちは憧れた。恥ずかしながら楊枝をくわえて真似したりもした。だが、クールを気取ってシラケてみせても、彼の強さは真似出来ない。私たちは彼のように孤独では生きる術を知らなかったから。・・結局は仲間と群れを作ってシラケた真似事をしていただけだった。
所詮はTVのヒーロー物。そんな事は分かりきっていた。いつの時代も言われる台詞:「今の若いもんは・・・」。それも分かってる。
あの3人の若者の旅は「みっともない」と「情けない」と「あっけない」だった。格好良さを求めて、もがけばもがく程、格好悪くなる。クールを気取ってシラケてみせても、結局は仲間を求めて群れて生きていくしか出来ない。
うわべだけ真似して強がってみせて、ひとりじゃ何も出来ない「今の若いもん」。そんな僕らを市川崑が皮肉ってみせた。ラストで一人残された萩原健一はその後どうしたのだろうか?・・・・きっと髪を切り、大人社会に恭順の意を示し、生き残っていったのだろうか?
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