[コメント] ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011/米)
9.11以前の「幸福な」描写が足らず、単に情緒不安定な子供の話でしかない。この話においてオスカー(トーマス・ホーン)に感情移入できない展開では厳しい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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原作未読です。
スタッフ陣は本作をオスカーの「成長物語」として構成したかったのだろうと思うが、そういう点ではほとんどうまくいっていないように思う。オスカーが生意気なガキ以外の何者でもなく、かつその生意気さに「正当性」を見出せるほど表現がなされていないため、本作の幹である「鍵穴捜索」に興味が持てないのがその主因である。
この話、変にドラマ性を追うのは止めて、祖父やパニック症の設定も削り単純なミステリーにしてしまった方がまだ共感を呼べる話になったのではないか。それだとおそらく原作の魅力をほぼ100%毀損してしまうことが類推できるが、そうしないと観客が本作に没入するのは相当難しいのではないかと思う。
その証左としてimdbやロッテントマトで本作は微妙な評価をされている。9.11を経験している観客の評価がこのレベルであるということは、「感動作」としてはあまり成功していないことを示している。この点においてとても残念な作品であった。
(2012.2.19 tohoシネマズ上大岡)
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