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[コメント] ル・アーヴルの靴みがき(2011/フィンランド=仏=独)

円熟の職人芸。昭和の話みたいだが、アルカイダなんてセリフが出て来るから現代なんだねえ。
ぱーこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







オープニングの3シークエンスでこれが映画だと思わせる.カットで丹念につないで行く画面は、ハリウッドの移動カメラになれた目には新鮮だ.出てくるのが、黒人の少年を覗けばみな大人(それも中年以降)ばかり。1枚のハガキ同様ここでも役者はきちんと正面を向いている.原題は「波止場」なんだろうけど、「ル・アーブルの靴磨き」とするところが日本だねえ、と思った. 役者も日本人に当てはめると、片岡鶴太郎とか岸田今日子とか岡田真澄とかそれなりに出来そうな感じはするが、みな余分なものがつきすぎていて、とてもこの映画にしっくり来そうもない. アーティストと比べると犬にしたって何の芸もないこっちの犬もなかなかすてきだ。要するに最近は余分なものが多過ぎる.不治の病の病人にカフカを読んで聞かせる、なんてツボだった。最後の満開の桜もしょぼくてなんともいえない。派手な所は何もないが退屈しなかった.

(評価:★4)

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