[コメント] 犬神家の一族(1976/日)
<金田一>
で、ナム太郎は何と言ってた?
<おはる>
え〜「公開前は「映画のことなんか何も分からない若造が!」と酷評されていた角川春樹が「豪腕プロデューサー」にのし上がったのは、この映画の監督を市川崑に依頼するという英断によるものが大きいと言っても過言ではないだろう。
ちなみに原作者の横溝正史は自著「真説 金田一耕助」の中で「(角川映画の)第一作として『犬神家の一族』が採り上げられたには、裏面にどういう事情があったのか私は知らない。おそらく(角川)春樹君の動物的カンというやつだろう」と述べているが、この映画の監督を市川崑に依頼するという考えすらも、それが横溝氏が仰るところの角川春樹氏の動物的カンであったとすれば、それは本当に恐ろしいものだと改めて思った。
出来上がった市川崑監督作としての本作は、配役及び各俳優の演技、撮影、音楽、編集等々、どれをとってみても当時の邦画の最高峰に位置するものであったと私は思っている。このことは、この映画が推理ものという通常一度観れば飽きてしまうようなジャンルでありながら、何度観ても決して飽きることなく終幕まで観通してしまうということによっても明らかだと思う。
原作はもっとドロドロした恐ろしさが前面に出てくるような内容なのだが、映画では坂口良子演じるホテルの従業員・おはるや加藤武演じる警察署長というキャラクターにユーモアの要素を交えたことも大きい(そして実際のところ、それらのシーンが好きだという人はとても多いようだ)。
この作品が当時封切一週間における興行収入世界一だったことを知る人は今はもう少なくなったが、そういったブームが起こるにはやはりそれなりの理由があったのだと知ることができる貴重な作品であることは事実だ」
<金田一>
なるほど…。食べなさい、食べなさい。
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