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[コメント] アメイジング・スパイダーマン(2012/米)

うーん・・ ピーターがスケボーかあ・・・
きわ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







どうも。『スパイダーマン』バカコメンテータ、きわです。

サム・ライミ大先生が世に送り出した前三作品の後を継ぐ新世代スパイダーマン、しかと観てきました(ちゃんと先行上映日に)。監督・キャスト総入れ替えの今回は「リブート」と言うそうですが(リブートとかリビルトとか何でもいいけど)、完全に別ものを観るつもりで観ました。しかし、そのつもりで行ったのに、なんだか振り切れていない様子の新作。。

その一、主人公のキャラ設定がいまいちはっきりしない。トビー・マグワイアピーターのように、完全にオタクなわけでもなく、かといってパッとしてるわけでもない。いじめられてるようだけど、いじめられっ子を助けたりする。スポーツ少年でもなさそうだけど、スケボーは宝物。なんなんだ君。一体どういうやつなんだ。これからシリーズ化していくにあたって、このへんがボヤけてたら観客は感情移入しづらいんだけどなブツブツ・・・と早速不平不満。

その二、ヒロインとの恋模様が唐突。新ヒロイン・グウェンとは、当初「俺の名前知ってるのかな?」程度の関係だったのに、いつのまにやら「あーそれでさー、ほらあのー」「あ、ええ、そうね。」「うん、そうなんだ、はは」「あ、じゃあそういうことで。「うんそういうことで!」ってどーゆーことなんだ?!??と傍からは会話になってないハニカミ会話を一方的に見せつけられた後、彼女は強引に彼をディナーへ招待(初デートがいきなり実家でご飯ってどんだけハードル高いんだ)。しかも彼は彼女の家初訪問にも関わらずいきなり部屋の窓から侵入。この人達の距離の詰め方がぜんぜん理解できない・・・こういうこまかいところ、結構重要だと思うんですよ。ていうか、トビーなんかキルスティン(MJ)にただ好きっていうまでにどれだけかかったと思ってんだ。しかも正体バラすの早いよ!!トビーがバレないようにどれだけ苦労したと思ってんだ・・・と、小姑きわはまたブツブツ。まあ、ケガして彼女の家で介抱してもらうシーンなんか、いきなり生々しいっていうかリアルっていうか、すごく「恋人同士の親密な距離感」が出てて、それまでのド派手3Dアクションに浸ってたこっちは急にハッとしてしまうあたり、さすが『(500)日のサマー』撮った人だなあと思ったけど、正直これも唐突すぎて違和感が。

その三、スーツ姿がいまいち。  いや、これも結構重要と思うんですよ。前作とくらべるとスリムになってますけどね、なんしか胴が長いんですよ、胴が。なんかね。なんか納得いかない。(それはアンドリュー・ガーフィールドの体系が全てなんですけどね。わかってんですけどね。)たぶん、背中のクモのマークが足長になったのは胴長を隠すためだろう(と、どうでもいいことを決めつける)。前作はぽっちゃりトビーの体系が逆にネタになってたりして面白かったんだけどさー。

その四、笑いがない。  笑いがないんですよ。前三作は毎シーンに詰め込まれていたネタ要素が今回は一切ない。まずキャラで笑えるのがいない。前作でいうとこのグリーンゴブリンとか新聞社の編集長とかその部下とか。かろうじてスパイダーマンになった時だけちょっとしゃべりで笑い取ろうとしてる部分が見受けられるだけです。いけません。笑いの無いスパイダーマンなんて他の量産3Dアクション映画となんにも変りません。

というわけで、「完全に別ものを観るつもりで観ました」と冒頭に言ったわりに、しっかり粗探ししているきわでした。でもねー、やっぱり私がスパイダーマン好きだったのは、単にクモの糸でビュンビュンしたりするアクションだけを目当てにしてたわけじゃないのが、これではっきりしました。ベタな笑いと濃いキャラと涙と葛藤と、そしてアクションです。それが良い具合に配合されたライミ先生の作品は超えることができないですね。今後だれがメガホンを取るのかわかりませんが、今回のよりはもう少し笑いを入れてもらえることを祈ります。(2012/6 劇場)

(評価:★3)

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