[コメント] 舟を編む(2013/日)
「地道さ」の価値とロマンが地道に語られるのだが、若干29歳の石井裕也監督が原作ものの映画化に、何を仕掛けてくるのかを楽しみにしていた身には、いささかお行儀が良すぎて拍子抜け。製作委員会の朝日新聞が喜びそうな優等生映画に小さく納まってしまった。
どうりで封切り直前に、朝日新聞が紙面で大キャンペーンを張っていたワケだ。
石井裕也のオリジナル作品は、『川の底からこんにちは』や『君と歩こう』、そして『あぜ道のダンディ』も、ある意味でどれもラジカルな部分で「地道」な主人公による「地道」賛歌であった。そして彼たちは、本作の主人公マジメ(松田龍平)君などよりも、もっと切実な世間の風にさらされ悪戦苦闘しながら「地道」に生き抜いていた。
この映画に出てくるマジメさん達は仕事とは格闘しますが、まわりを善い人ばかりに囲まれて世間や人生とは格闘しません。皆、とっても幸せそうで結構なことです。いや、別にそれでいいんですけども・・・・。きっと石井裕也君は、周りのオジサン達の意向を上手にくみ取れる、とってもマジメな好青年なのでしょう。
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