まっすぐで、真面目で、正直な人ばかりが出てくる。飛行機をつくることの生きることの矛盾かなんか描いているように見せて、実は信じられないくらい純粋な夢みたいな世界を描いている。それがジブリ作品の変わらない魅力だと思うし、私は多分こんな物語を観たかった気がする。

二郎の声が良かった。本庄の声も良かった。 やたらと風ばかり吹いている映画だった。夢と現実を行き来する構成はありふれていて分かりやすく、悪くなかった。嘘みたいな台詞や、歯が浮くような台詞が目白押しで呆れたが、世界観は一貫していた。貧しい時代の富める者の視点というのはどことなく卑屈になってしまうものだが、何ひとつ自虐めいた表現は無く、ただただ好き勝手に描かれていたのが良かった。

映画館で観る唯一のアニメーションがジブリだな…としみじみ思う。