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[コメント] 帰って来たヨッパライ(1968/日)

「何処が『帰って来たヨッパライ』なのか?」低予算赤貧コメディの裏のウラに絶望的な暗喩がある。「天国」とは?
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「酒は旨いし姐ちゃんはきれい」な天国とは、安タバコ「しんせい」が50円で買えて、アメリカの尖兵としてヴェトナムで若い命を散らす必要もない、わが国「ニッポン」なのだ。徴兵に追われる若き韓国人は命を投げ打ってもそこに逃げることは叶わなかった。

フォークルの3人は理不尽な行動に出る韓国脱走兵たちを恐れるが、最後にはそれが彼らの生き延びるためのあがきと知る。彼らが脱走者として無残に殺されるのを目にして、繁栄を謳歌し「酔っ払って」いるのは自分たちだと悟るのだ。

自らが歌う「イムジン川」の重みを知るのは、きっとそれからなのだろう。

(評価:★4)

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