[コメント] 海よりもまだ深く(2016/日)
昭和チックな暮らしを送る母は何かを諦めてきた。昭和の男と暮らしてきた元妻はその男を諦めざるを得なかった。男は過去にひきずられ、何も諦めきれないできた。三人を軸に、それぞれの哀しみや密かな葛藤を、うまいセリフと「小道具」で魅せる今回の是枝裕和作には「参りました」と言わざるを得ない。
息子に期待し続ける母、父を嫌いながら似てしまい、実は好きになっている息子たち。
はからずも今こうして自分が歯がゆく、ただ「どうしてこうなっちゃったんだろう」と思っているのは、劇中の人物だけでなく、スクリーンのこちら側の人々もなのだ。
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