[コメント] クリーピー 偽りの隣人(2016/日)
本作も、窓やドアの扱い、風に膨らむ白いカーテン、斜面や坂道、高低を意識させる視線とそのミタメ、ノイズ−チョコレートの袋をゴミ箱に捨てる音。落花生をミキサーにかける音!
そしてワンシーン内、ワンカット内の光の扱いの変化−例えば大学での川口春奈へのインタビューシーン。香川照之とその娘・藤野涼子が西島秀俊の家で夕食を食べる場面。画面はとても見応えある。高低を意識させるシーンでは、川口が祖母との住居(文化住宅のような建物)の二階の手摺から、階下の西島を見下ろす場面が顕著だ。こゝは西島も極悪人であり、犯人との同化(かつて川口は犯人を見おろした)を示唆するキーとなるシーンだろう。さらに、唐突にも西島が2階の窓から隣人を見降ろすカットが挿入される。
しかし、冒頭近くの科白(例えば「合ってるかも。大学の先生」なんて説明的な科白)を聞いた途端に、プリプロダクションの設計が上手くいっていないことがうかがい知れる。(見切り発車だったのだろうか)。エンディングも現実離れした高速道路のドライブシーンで閉じ、見るものを暗黒に突き落したほうが良かったのではないか。私の好みでは、エピローグは不要。
#ドローンはステディカム同様、映画を堕落させるのではないか、と思う。
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