[コメント] リアリティのダンス(2013/チリ=仏)
ミュージカルの厚顔さというべき当事者感覚の欠落で掻き立てられる冒頭のパメラ・フローレスに対する苛立ちが、課題を設定し解決するサイクルに彼女が放り込まれると解消してしまう。人間に好意を獲得させる技法が随所で奏効しているのだ。
時折混交してくるドキュメンタリズム寄りの文体も、美術の色彩感覚と寓話性とは相いれないように冒頭では見えた。しかしオッサンのロードムービーが始まるとその文体の意味が解ってくる。寓話性のイヤらしさがオッサンの彷徨の必然性のなさに救われるのである。ただそうなると、冒頭の寓話性の必要性がわからなくなる。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (3 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。