[コメント] 妻として女として(1961/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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改めて観て、興奮しまくり。
まずキャストがすんばらしい。
高峰秀子の声は相変わらずふてぶてしいし、嫁のスパイとしてバーに潜り込んでるホステス・水野久美(スパイ役、似合い過ぎ。笑)に、「帰れ!」ってカクテルグラス投げつけるし。
本宅の家のお手伝いさんが賀原夏子とか。
遅くまで寝てたら、「よく黒目が流れないねぇ」(『流れる』)って嫌味言われそう。笑
高峰秀子の古い友達が、
とか。しかも全員、愛人の身分。
堪んねぇ!
そして、高峰・淡路・藤間・関の4人が淡路のパパにたかって、丹阿弥がやってる旅館に遊びに来るシーンでのセリフ。
藤間 「ねぇえ〜、いい男の按摩さんいなぁい〜?」
丹阿弥 「いるわよ。宝田明似のが。」
藤間 「それ、行こっ!」
丹阿弥 「でも、めくらよ。」
一同、爆笑。
こんな映画、今作れません。笑
淡島千景の冷酷だけど女の哀しさを表現してるのも良いし、娘役の星由里子が可愛らしいのに最後に捨てゼリフ吐くのも、現在の星由里子を予感させて溜まらん。
男優は、森雅之が男のズルさを相変わらず巧演してるけど、全体的に印象薄。
でも、やっぱ成瀬作品らしく嫁×愛人対決だけじゃなくて、女の哀しさ・愚かさ・無力さも表現してるし、終盤の光と影を印象的に使った撮影とか、品のある音楽とか、一流スタッフの仕事振り。
それが同じ嫁×愛人対決を描いても俗っぽい、ってか下世話でしかない降旗康男の『遺産相続』と違う所。
ま、これはこれで面白いんだけどね。
やっぱ、ミキちゃん良いわぁ。
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