[コメント] 哭声 コクソン(2016/韓国=米)
常識人が描いた薄味の狂信。クライマックスの延々続くカット・バックに辟易とした。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この警官対儒教、仏教対キリスト教のダラダラした説明だけの件は私にはおよそ映画とは思われない。ただ音楽が盛り上げているだけ。後半に長い長い説明を持ってくるのは基本的な失敗。その「意外な」結末にしてからが、儒教を厭うてキリスト教に希望を見る韓国リベラルとしては実に常識的なものであり、なんだ結局そうなのかという処に着地する。
前半はチョン・ウヒが小石投げてクァク・ドウォンに寄っていく件や山中に籠る國村隼など、怪しさだけならピカイチで、無理に物語転がさなくていいのにと思う。國村については、これが逆ならどうだろうと思わざるを得なかった。日本の山中に籠る韓国人、という設定があるとしたら、これはオオシマの世界だ。この対偶を描くほどの力量は本作にはない。
宗教的オカルトとしても、もっといい作品はいくらでもあるだろう。『尼僧ヨアンナ』や『エクソシスト』のほうがずっと面白いし内容もある。狂信の凄味を描くには、本作の監督は常識人に過ぎると思われる。上記二作のように真剣に儒教を「愛して」いないのだ。もっとも、溺愛を見せつけられても困るんだけれど。
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