[コメント] 希望のかなた(2017/フィンランド)
まずは、王道のリーバスショットの映画として印象に残る。例えば、ヴィクストロム=サカリ・クオスマネンと、洋品店の女店主=カティ・オウティネンとの会話シーン。例えば、主人公カーリド=シェルワン・ハジと収容施設の女性との会話。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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特に、オウティネンとの会話シーンは、正面バストショットに近い(小津まではいかないが、小津に近い)構図で、観客に引っかかるように造型している。
また、プロット展開上の要請と云ってしまえばそれまでだが、隠蔽(隠す)というモチーフが散りばめられる。主人公カーリドは、『地獄の黙示録』のカーツの帝国におけるマーティン・シーンのような登場をする。カーリドの妹も、別の形で、隠された場所から登場する。その他に隠れる/隠すという場面がいくつもある。ただし、エンディングのカーリドは何故か隠れることをせず、無防備に体をさらすのだ。だから、余計に胸を打つ。
本作においても、画面内で演奏される音楽が、抜群の効果を発揮するのだが、BGMで流れる日本語歌謡曲の挿入と、ラストのカーリドの突き放しを考えると、『台北ストーリ』を想起せずにはいられなかった。
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