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[コメント] 宇宙からのメッセージ(1978/日)

なんと言っても見どころはロクセイヤ12世(成田三樹夫)!笑うなと言う方がムリ!
新町 華終

「SFバカ映画オールナイト」という素敵オールナイトショーで見たのですが、 ラストでは拍手喝采でした。なぜ???

きっとみんな頭がおかしくなっていたんでしょう・・・

しかも★5付けてるのオレと荒馬さんしかいないし・・・

追記:「考えるんじゃない。感じるんだ系SF」なのでかなりイッパンジンには敷居高いと思うのです、正直。現代の科学考証&CG慣れしたSF感覚で見るとかなり斬新。それはややこしく例えるなら、故・小松崎茂先生の空想科学イラストに深作欣司の任侠絵巻をぐちゃぐちゃと織り込んで足しておいて2で割らない、泥臭い中でも夢を信じて生きてきた、オイルショック・ロッキード事件・公害という文字が新聞に躍る中で、月に一度のレストランでの新幹線のプレートに乗ったお子様ランチが何よりも楽しみだった70年代の恍惚とした世界観が画面いっぱいにちゃんぽん状態でぐつぐつと煮えたぎっているからに他なりませぬ。

「お母さんこんなのちがうー(´Д⊂」と物心つくようになった当時のベビーブーマー達からして、似非スターウォーズの様相を呈した本作に拒否反応を一様に示していたように記憶してますが、これが当時の日本の先人達が考えた空想世界の限界であったことも否めません。それでも彼等は日本の子供達に夢を見てもらおうと一生懸命考えたのです。スターウォーズが帝国軍と共和軍という当時のアメリカが抱えていた脅威…東西冷戦構造のメタファーであるように、宇宙からのメッセージも当時の日本が抱えていた問題…難民、暴走族、放射能、社会共産勢力の脅威などの当時の社会問題をさりげなく舞台背景に溶け込ませて、上述の両作品ともその巨大な敵(=システム)には怯むことなく挑み闘い続けることこそ正義であり未来であると説いております。(ハズ)

そう、この時代の冒険壇には大きな矛盾の闇の中でも頑張れば光が見出せる…という希望的なシナリオ。…危険に満ちた巨大洞窟の奥地にたどり着くもこれ以上は未知の領域で生命の危険さえ危ぶまれる。しかし我々は人一人通れるか否かの穴へと挑む…とその先に隊員が見つけた一筋の光!→歓喜の叫び!ちゃらら〜ちゃらら〜♪(ロッキーのテーマ)という川口宏探検隊的カタルシスが70年代作品には空気としてフィルムにプリントされている訳です。希望の未来へと繋がるシナリオはいつの時代もやはり我々を酔いしれさせてくれます。日本の高度経済成長期のまんま鏡写しである現在の中国で作られた「少林サッカー」が国境を越えて我々の魂をがっちり掴んだこともその証拠に他ならないではないですか。

少々話が逸れましたが、SF作品としてのディテール云々という話もありましょう。しかし!私はやはりハンス王子千葉ちゃんの苦みばしった表情に浮かぶ汗のように、滲み出ているアツイ空気そのものが大好きなんであります。

追伸:この映画を主題にPOVまで作る荒馬氏は「リアベの勇士」以外の何者でもありませぬなぁ・・・(しみじみ)

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)甘崎庵[*] ナム太郎[*] 水那岐[*] 荒馬大介[*] ジョー・チップ

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