[コメント] ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密(2019/米)
序盤の家族の事情聴取場面。こゝの、なかなかピントが合わないダニエル・クレイグと、彼がビアノの鍵盤を叩く、音の演出で、まず、くすぐられる。
挿入されるフラッシュ・バックは、単なる供述の視覚化なのか(嘘を含むのか)、真実の回想なのか、どちらだろう、と思いながら見たが、多分、皆、真実の回想だったということか。このあたりも構成がしっかりしている。
ヒロインのアナ・デ・アルマスがメッチャ可愛い。彼女の、嘘をつくと嘔吐する、という漫画のような設定が、なんとプロットをドライブさせることか。楽しい。コインの落下の間の回想と、早々に顛末が明らかになる見せ方も見事だし、クリストファー・プラマーとのやりとりの迫力にもドキドキさせられる。九路盤囲碁の勝負!
また、犬を上手く機能させる演出にも唸った。犬は人格を見分けるという設定が機能する。あと、犬絡みだと、梯子の木っ端の扱いの面白さ。
クリス・エヴァンスのアイロニカルな造型もふるっている。アルマスが皆に詰め寄られる場面で、彼が救い(BMWに乗り込ませる)、レストランで、アルマスが彼に総てを話すことになる顛末だとか。
邸のバルコニーにアルマス。玄関前の庭から見上げる人たち。高低の演出。マグカップを口へ運ぶアルマス。主役はクレイグではなく、完全にアルマス。
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