[コメント] 一度も撃ってません(2019/日)
なんだか、松田優作さんの幽霊がさまよっていそうな作品。そのカウンターの、はじっこの方に。
人相が悪人顔だから、いつも職質されちゃうオジサンのコメディなのかな?と思っていたけど、全然違った(笑) なかなか真面目に「人生100年時代」の70歳を描いていると思う。しかも、豪華な出演者!
「老い」、それから、それと一緒におそってくる「自分のことを知る人がどんどんいなくなる」という、足下の砂が波にさらわれていくような寂寥感、焦り、諦め。それでも、「午前零時、夜はこれからだぜ」と自分を鼓舞する主人公がかわいい。
売れないどころか出版すらさせてもらえない自称・ハードボイルド作家、伝説の元ミュージカル女優、落ちぶれたヤメ検。迫ってくる「老い」に追い立てられてるのはこの3人だけではない。悠々自適に年金生活を送っているフツーのおばさんである弥生も、同じように焦っているってとこがとてもいい。この3人に、弥生が混ざるところに意味がある。しかも演じているのは、大楠道代さん!「私のことを何だと思ってるのよ!」とキレる彼女もまた、とてもかわいい。
私は覚えてます。『赫い髪の女』での石橋蓮司さん、『もう頬づえはつかない』の、0か100かしかないマリコの桃井かおりさん、ザ・タイガースでベースを弾いてた岸部一徳さん、『セックス・チェック 第二の性』の大楠道代さん。大好き! まだまだ、夜はこれからです。作りたい作品を、楽しんで作ってほしいですね。
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