[コメント] インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023/米)
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序盤のフェィク・フォードが出ている話がムダに長い。付けたし感満載である。アンティキティラを巡ることになる経緯の説明だったらこんなに長い時間必要ない。これだけの時間かける必要があったのは、ここが「われらのインディの」肉弾アクション場面のためだけに用意された場面だからで、中盤以降の本筋の部分はハリソン本人が肉弾のアクションを演じる場面はかなり少な目に済ませていることはこの完成された本作のとおりである。
つまりこの「運命のダイヤル」は、本物のハリソンが演じる場面だけで作ることが物語上可能だったのだ。インディ・ジョーンズ過去4作はほとんどすべて2時間で作られているから、このフェィク・フォード部分がなければだいたい2時間で済んでいたはずだ。たまたま現在のハリソン・フォードの年齢にあったインディ博士の新たな物語で、そんなにアクションを演じなくてもよく(あってもCGやスタントでいけそうな)ちょうど2時間くらいのいい感じの面白い物語ができたのだが、やっぱりそれだけだと冒険活劇や遊園地のアトラクション的にダメだということでこの序盤が作られたのだろう。もはや俳優本人じゃなくてもここまでできるのだから、もうこれからの映画はだいぶ変わっていくことになるだろうな。自分が死んだあとの世界なら、三船敏郎主演の黒澤のリメーク作品もきっと作られているだろう、と預言しておこう。
宇宙人の次はまさかの××かよ…という感想がすぐさま想起されたが、このシリーズ最後の最後は必ず人知を超えるものが登場するということに関しては終始一貫しているのである。だから今回の展開はむしろ予想を超えてきたということで私には良かった。最後のあれがなければただ逆につまらない。どうやって戻るのかは心配したが、その件はちゃんと描くと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と同じハラハラになっちゃうから、強引だけどまああれで良かったんだろう。
当時としても相当無理を感じていた「クリスタル・スカル」からもう15年。ハリソンも歳をとったとはいえ、まだまだ凄いよなぁと、相方のカレン・アレンを見て思った。アポロ11号の年に引退した考古学者の最後の冒険譚、シリーズで初めてといってもいい実在の遺跡(のモデル)をモチーフにしたストーリーは、映画的なアクションシーンにこだわらなければちょうと2時間くらいのこのシリーズのフォーマットに沿いながら、ちょっと「マスター・キートン」ぽくもあり私は好きだったんだけどなぁ。アルキメデスに「ここに残りたい」って懇願するジョーンズ博士にも共感できるし。
よしんば本作が大ヒットして金儲けしたい人たちが続編企画を出すとしたら、まだロボットっていうのが残っているが。。。
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