物の始まりが一ならば、国の始まりが大和の国、島の始まりが淡路島、泥棒が石川五右衛門なら、助平の始まりが小平義雄。 仁吉が通る東海道、憎まれ小僧が世にはばかる仁木の弾正、お芝居の上での憎まれ役 三三六歩で引け目がない、産で死んだが三島のおせん、おせんばかりがおなごじゃないよ。京都は極楽寺坂の門前で、かの有名な小野小町が三日三晩飲まず食わずに野たれ死んだのが三十三。とかく三という数字は文が悪い。 四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水臭い、四谷赤坂麹町チャラチャラ流れる御茶ノ水、粋な姉ちゃん立ちションベン。一度変われば二度変わる三度変われば四度変わる、淀の川瀬の水車、誰を待つやらくるくると。 ゴホンゴホンと波さんが、磯の浜辺でネエあなた、あたしゃあなたの妻じゃもの、妻は妻でも「阪妻よ」ときやがった。 七つ長野の善光寺八つ谷中の奥寺で、竹の柱に茅の屋根、手鍋さげてもわしゃいとやせぬ。信州信濃の新そばよりも、あたしゃあなたのそばがよい、あなた百までわしゃ九十九まで、共にシラミのかかるまで！