[コメント] 男はつらいよ 寅次郎夢枕(1972/日)
寅が恋の苦しさについて切々と語る件があるが、千代(八千草薫)に対する態度は明らかに違う。可憐な未亡人であり、小便垂れの幼なじみ。「おんな」であり「故郷」でもある。千代は恋愛の対象だったのだろうか。千代との男と女としての距離はあまりに曖昧だった。
だから寅自身、何を失ったのか、どして失ったのか、この止めどない切なさの原因は何なのかに、気づいていないのだろう。
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