[コメント] 緑の光線(1986/仏)
他人の価値観に踏み込もうとして対話からも画面からも締め出されてしまう。孤独を逃れようとしてすべてを逃げ散らせてしまう。本当に痛々しい憐れな憐れなデルフィーヌ。それでも少しづつでも自分を変えてゆければ、いつかは「緑の光線」が見えるんだぜ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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価値観が特異なことや、反応が馬鹿正直なこと自体よりも、それを自分の中で整理する論理的思考力と、他者へ伝える伝達能力が欠如していることこそが、この女主人公の最大の問題点。本人はそれに全く気付いていないようだし、下手をすると自分は他人より頭が良いなんて思い込んでるから、変なとこで張らなくてもいい見栄を張り、思っても無いことや、それまでよく考えもしなかったことを、その場でベラベラ喋り捲ってしまう。
こういう人は居ます。男でも女でも、たくさん居ます。大学時代は、自分も含めて、こんな人間ばかりでした。
でも、そういう人を、これほどまでに精密に描き出した映画には、中々お目に掛かる事が無い。そして、そういう人を、これほどまでに優しく包み込んだ映画は、多分、これだけだ。
ラストの高揚感は並大抵じゃない。
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