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[コメント] 地獄の黙示録(1979/米)

現在の時代の中で、この映画を初めて見た自分だが、戦争そしてアメリカについて感じたことは大きい。
Keita

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 今回、<<特別完全版>>を劇場で見た。79年製作のオリジナルは見たことがなく(っていうか公開されたのは自分が生まれる3年前です)、ビデオで長い映画を見るのは好きではないので、どうせ見るなら最初は大スクリーンで見たいと思ったので、この機会に見に行ってきたわけです。

 この<<特別完全版>>の上映時間は3時間23分。確かに長いとは思う。見終わった後はすごく疲れた。でも、その長い上映時間も無駄だとは思わなかったし、映画自体の内容はかなり深かったと思う。90年代の映画を少なからず見てきた自分だが、今見ても途轍もない映画だと思った。製作者側は79年の時点でこの映画を観客に見せるのはまだ早く、今になって時代がこの映画に追いついたと言っているが、それも理解できる。79年の時点でフランシス・フォード・コッポラをはじめとした製作陣は、時代の先を行っていたのだ。同時多発テロから一連のアフガニスタン空爆やビン・ラディンに関しての報道を見ても、この映画が言わんとしてることは、現在のアメリカをもしっかりと捕らえている。追加されたというフレンチ・プランテーションのエピソードを見るとアメリカが行う戦争の無意味さを痛感させられる。オリジナルではカットされたこのエピソードは非常に重要なことを語っていたと思う。

 こういった映画を見ると、戦争を題材にアメリカの正義を唱った映画を戦争映画として捉えることが出来ない。実際にアメリカが行ってきたことは、必ずしも全てアメリカが正しい訳ではない。素直にアメリカ万歳と片付けるのは不自然だろう。映画終了間際のカーツ大佐の言葉、「地獄だ。地獄の恐怖だ。」とあるが、戦争は簡単に片付けることのできるものではなく、人間の様々な面において、本当に地獄なのだと思った。映画が終わってエンディングクレジットが流れる際、不思議な感じを受け、唖然とさせられた。

 また、技術的に見てもスゴイに尽きる映画だ。サーフィンのために攻撃をするシーンの迫力は言葉に出来ないくらいスゴイ・・・。ヘリコプターも全て撮影現場に存在し、CGで書き足した場所など無く、あの戦闘を撮ったというのがスゴイ。大画面であの迫力を堪能すると圧倒される。現在のCG技術による映像の迫力とはまた違った魅力だ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)chokobo[*] ina かっきー トシ

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