[コメント] イングリッシュ・ペイシェント(1996/米)
ジョン・シールの撮影には全編しびれる。だが、それにしてもクレジット開けの砂漠の紋様と飛行機の影と飛行機の中の女のカットは素晴らしい。そして、あゝ平手打ちというのは実に映画的だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
レイフ・ファインズとクリスティン・スコット・トーマスの二人の恋愛譚は決してよく描きこまれているとは云えなのだが、見た者は一人として忘れられないであろう唐突な平手打ちの演出等、アンソニー・ミンゲラの感覚は決して侮れない。
ジュリエット・ビノシュ、ウィレム・デフォー、ナヴィーン・アンドリュースの描写も散漫になるギリギリのところでよく踏みとどまり、ラストへ向かって収斂する。それはビノシュが夜の教会で壁画を見せてもらう、とびっきり美しいシーンや爆弾処理の緊張感溢れるシーン等見る者をドキドキさせる演出が効果的に使われているからだ。ただし、どうせ回想シーンを多用する構成を取るのなら回想の入りと出で、もっとハッとさせる演出が欲しかったと思う。また、ラストまであの素晴らしいファーストカットを超えられなかったことが結果として少々寂しい印象を残す。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (3 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。