[コメント] ミラーズ・クロッシング(1990/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
名脇役と呼ばれる俳優だけで構成されたキャスティング。主役級の俳優が見当たらない。主人公自体「頭の切れる右腕。帽子に執着する寡黙な男」と、まるで次元大介。脇役が主役の映画ではキャストも脇役だけ。ある意味すごく贅沢だ。
王道のギャング映画と違う点が沢山ある。ほぼ全て逆をついているくらいある。目立つのがなぜかボスが二人ともボスらしからないところ。腕の短い油っぽいわめいてばかりのジョン・ポリトは何故ボスになれたのか不思議だし、アルバート・フィニーは見るからに良い人そうでおよそマフィアのボスに見えない。(殺し屋を返り討ちにするシーンはさすがだったけど。)登場人物の半分くらいがホモセクシュアルなのも他にあまり見たことがない。(マフィアの世界には多いのだろうか)子供が持ち去っただけなのに、なくなったカツラを巡って深読みする男達の描き方も皮肉っぽい。
マーシャ・ゲイ・ハーデンなんて「もっと他にキレイな人いるだろ!」と言いたくなる。でもそのうちに、マフィアのボスとその相棒に言い寄られるぐらいだから、顔がどうこうより、これぐらいタフで肝が据わってる女がモテるんだな・・なんて納得してしまう色気と風格に魅せられる。特に話し方と声。ガブリエル・バーンと二人になると、「そのうち命を落とすわよ。」「その日が来るまで酔っ払おうぜ。」なんて会話もさらっと出てくる。格好良すぎますよ。「Miss me?」「Drop dead.」など。彼女のこの口癖の「Drop dead.」が字幕で「おっ死ね。」になってたのが最高に盛り下がる。「おっ死ね。」って。どこの江戸っ子ですか。(直訳過ぎる) スティーブ・ブシェミはワンシーンだけなのに最後まで存在感が薄れない。そして一番格好良いなと思ったのは、一瞬のサム・ライミ監督。格好イイ・・・ 弟さんは本業で俳優だけど、正直弟さんよりカッコ良いよ!(今はもうメタボだけど・・)(08/03/17 DVD)
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (5 人) | [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。