[コメント] カジノ(1995/米)
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マフィアが絡み、ロバート・デ・ニーロに代表される「イタリア顔」俳優が出演し、やたらに壮大・長尺で使っている音楽もゴージャス。そしてココが一番カナメだが、とにかく男臭い。要するに、スコセッシ自身の過去の遺産を適当にカットアップして繋ぎ合わせただけの映画だということだ。シャロン・ストーンとジョー・ペシの使い方なんて、前者を「身を滅ぼす悪女」として、後者を「血の気の多い迷惑な悪友」として、ともに他の映画によって培われた両俳優のステロタイプなイメージをそのまま用いているだけじゃん(後者のイメージを生み育てたのはスコセッシ自身だし)。
登場して早々、ジョー・ペシはちょっとデ・ニーロに因縁つけてきただけの男を「俺の友達をコケにしやがって!」とさっそくペンで刺しまくってるし、シャロンはシャロンで派手なカジノ荒らしで「権力をものともしない奔放かつ剛胆なセクシー女」を演じてみせてさっそくカジノ支配人デ・ニーロの心をわしづかみにしてるし。なんて期待通りに動いてくれる人たちなんだ!
こんな二人が主人公のまわりを取り巻いてるってんだから、カジノ社会を舞台に、「栄光をつかんだ男が悪女と悪友に振り回されて結局身を滅ぼす話」てなことぐらいは見始めて10分もすればだいたい予測がついてしまう。ただ、それをスコセッシ節の利いたあの男臭さとやたらに壮大・長尺なスケールとで描かれてしまうと、やはりそこはそれ、ファンは見てしまうもの。こういう「お約束」もまた映画の醍醐味、ということだろうね。俺だってやっぱり、シャロンにだったら一度ぐらいはたぶらかされてみたいしな。(微妙に違う)
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