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[コメント] ゴジラVSキングギドラ(1991/日)

ゴジラがらみのタイムパラドクスにキングギドラを持ち込んだ、というアイデアは光っているが、その後が問題→
荒馬大介

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 そもそも「ゴジラの代替」としてキングギドラが出現しているというその時点で、既にギドラそのもののスケール、壮大さを削がれてしまっている。確かに、ゴジラの代わりにそれ以上の力を持つ怪獣=キングギドラとして、脅威が描かれてはいるし劇中でもそうなっている。だが、ゴジラとキングギドラが対決した際、勝ったのは前者だ。この結果キングギドラの「ゴジラ以上の力」という部分が完全に破綻してしまい、最終的に未来化学の力を借りてパワーアップするという形でしか「ゴジラ以上の」ものを手にすることが出来なくなってしまったギドラは、どうしても小さいものになってしまう。ゴジラを苦しめる戦いっぷりや福岡を蹂躙する暴れっぷりは大したものだが、どうも足りないものを感じていたのはこれが原因のようだ。

 さて、本作ではむしろギドラではなく、ゴジラ誕生秘話の方がずっと面白いものになっている。玉砕寸前の日本兵の前に恐竜が出現し、上陸してきた米兵を蹴散らす。その為に、命を捨てる覚悟だった者達が生き延びることとなった。傷付き倒れた恐竜に敬礼を捧げた彼等は島を後にするが、後にその個体がゴジラになり、日本を揺るがす存在になるなど知る良しもない。余りにも数奇な運命である。

 その辺の筋書きには大森一樹氏の怪獣映画好きを感じるのだが……どうもキングギドラの存在がいただけないだけに、惜しい。その辺が上手くいってたら随分評価も違ってきたのだが。

(評価:★3)

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