[コメント] スターシップ・トゥルーパーズ(1997/米)
巧妙に作られた、最高にタチの悪い傑作
アメリカの右翼的・軍国的な部分をメチャクチャコケにして、アホな登場人物たちを悪意たっぷりに描くバーホーベン。しかしそんな映画にどうしようもなく興奮し、燃える自分。
読者の制度的な良識を笑い、仮面を剥ぐことで反制度的精神に訴えかける「ブラック・ユーモア」という文学的伝統がある。この映画がまさにそれで、「戦争の好きな自分」「殺戮に燃える自分」「暴力に興奮する自分」を観客自身の中から掘り起こし、突きつける。観客はそんな自分と向き合わざるをえない。不快感を感じる人が多いのも当然である。
そして突きつけたまんま「あとは知らん!」というバーホーベンの一点の曇りもない姿勢が素晴らしすぎる。ハインラインは草葉の陰で泣いていることだろう。このコメントを我が軍曹に捧げる!(矢野徹)
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