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[コメント] ガタカ(1997/米)

再見して音楽の使い方が面白いことに気がついた
TOMIMORI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







◇ジュード・ロウがオープンカーに乗るユア・サーマンを見下ろすシーン

おもむろにシューベルトの「即興曲第3番」が流れる。 イーサン・ホークとユア・サーマンがピアニストが弾くのを一緒に聴くシーンが続く。 警察による捜査を挟んで、ジュード・ロウが車椅子に乗ったまま尋問を受けて激昂するシーンを織り交ぜながらピアノが終了。 ジュード・ロウの孤独感が最初に強調されるシーンだ。 映画では12本指用の曲という設定なので原曲に新たな装飾音が加わっており面白い。 12本で弾いたらあのように弾けるのだろうか。 最初見た時は気がつかなかったが後で調べたらこの曲はシューベルトが死の前年に書いたものだそうだ。映画では死を予感させる曲として使われたのだろうか。 そしてシューベルトといえば31歳で世を去った夭折の作曲家として知られ、ジュード・ロウの若さと重なる。 あと同性愛者であるシューベルトの曲を使用することでロウとホークにも同性愛的要素を示唆させているととらえるのは深読みしすぎだろうか。

◇ジュード・ロウが部屋で偽装セットを作成するシーン

おもむろにチャーリー・ヘイデン作の「ファースト・ソング」が流れ始め、 ユア・サーマンとイーサン・ホークとの晩餐のシーンが続く。 この曲はスタン・ゲッツが死の直前に録音した曲で有名だ。映画で使われているのも同じものだと思う。 やはりこれも死を予感させる曲として使われたのだろうか。

いずれの2曲もジュード・ロウの登場するシーンから流し始めることで彼の孤独感、そして迫り来る死の時をうまく演出している。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)dov[*] moot ゑぎ[*] tkcrows[*] 浅草12階の幽霊[*]

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