「あなたの人生で幸せだった瞬間は何ですか」 そんなこと聞かれても困るでしょう。別に私たちはピンポイントに生きているんじゃなくて、連続した時間の中で生きているんだから。でも×２と聞かれたら、それは禅問答の世界への入り口のような気がするのよね。 で、映画に出てきた人たちに圧倒的に多かった答えが子供の頃の話、しかも素人さんに限ってそうなの。何十年も生きてきて最良の時間がスタート地点だなんて、これから生きていく人間としては残りの人生は何だったんだろうって思ってしまうの。でも×３、多々良君子さんの話や身振り手振りを観ていると、人生はそんなものなのかなと思ってしまうの。ずぶの素人さんでも、自分の思い入れのあることだったらカメラの前でもあんなに熱く語れるというのがステキなのよね。そういったモノが人間一人×２にあるからワンダフルライフなんだろうなと思うの。 一番始めに言った人生は連続的なモノなんだけど、少し訂正。映画のフィルムなんかも何枚もの静止画で成り立ってるのと同じで人生も一瞬×２があって成り立っているんだよね。だから総合的に人生を有意義なものにしようと考えていても、人生を連続的に考えていると、明日こそは来週こそは来月こそは来年こそはって目的を先送りにしそうな気がするの。だからこそ今っていう瞬間を大切にすべきで。その結果として最高に幸せだった瞬間が必然的に出てくるのかもしれないの。