[コメント] ダイヤルMを廻せ!(1954/米)
オチが分かったとしても、見せ方で最後まで面白く見せてしまう、という映画のお手本のような作品。少なくとも自分にとっては。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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亭主の横暴っぷりをさほど強調しているワケでもないのに、浮気している妻の疚しさとか後ろ暗さとかを忘れて話に没頭させられてしまうのは、グレース・ケリーだからこそ為せることなのか。ともあれ、策略を練るのが浮気されてる亭主側、という変化球っぷりがヒッチらしい素材なのかもしれない。
グレースに目を奪われるということも含めて、視覚的は派手さは前半部に集中しているのかもしれないけど、練りに練られた積み重ねに思わず唸るのは、むしろ後半部。非常に細かいので一つ一つ挙げるとキリがないけど、一つ挙げれば照明の妙。レイ・ミランドが去った後での捜査を、あえて照明を落として続けることの効果。ペンライトで対象に集中させる効果や、カーテン越しでの外の展開はもとより、ラストで亭主が点ける明かりそれ自体が一つのカタルシスたり得ている。そして何といっても、大窓を開けて外の光と共にグレースの姿が目に飛び込む、その絶大な効果。たった二間と限られたドア、窓にも関わらず、それらを十全に使い切っている。もちろん階段スペースも含めて。
それにしても、鍵、鍵、鍵・・・。これを活字で読んだら、混乱してワケわからなくなること請け合いです。
(2007/6/17 再見)
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