[コメント] 泥棒成金(1955/米)
アルフレッド・ヒッチコック監督全作品中、最も華麗な作品。ロバート・バークスの神業のフレームの中に、赤や緑やゴールドやイエローやコバルト・ブルーが乱舞する。
南仏の強い光と、見渡す限り絵になる風景が続くという好条件の中で、ヒッチコック監督は俯瞰撮影の欲望を押し隠そうともしない。ハリウッド映画にとって遠景の俯瞰撮影はスペクタクルの華。大監督ほど、これでもかとばかり俯瞰撮影には凝るものだが、この作品ほどすばらしい俯瞰が出てくる映画も少ない。この俯瞰の下で、二人の主役俳優のなんとスターらしい映りの良さだろう。ケイリー・グラント は惚れ惚れするほどよい男ぶりだし、 グレース・ケリーはイディス・ヘッドによってドレスアップされ、絶頂期の美しさを披露する。果たして、私はこの100分間ストーリーを追っていただろうか。
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