登場人物の構図をわかりやすく言えば，ドラえもんと同じか？

良くも悪くも単純明快。２０分くらい観ると展開がすべて読めてしまう。主人公が転校してきて，ビーチ・パーティーでかわいい女の子と出会い惹かれ合う。そこへ前の彼である敵役が出てきて傍若無人な振る舞いをし，主人公と火花を散らす。だが，主人公は自分よりずっと強い敵役には歯が立たない。そんな時，思わせぶりにミヤギ（ノリユキ・パット・モリタ）が登場…。ここで，それ以降の展開はすべて読めてしまう。

ノリユキ・パット・モリタは演技が巧いのか下手なのかわからないが，このミヤギ役は実に適役だったと思う。特に酔っぱらって，強制収容所で亡くなった妻のことを思い出すシーンは，不器用さ（たぶん計算し尽くされた演技ではないのでしょう？）が巧く作用して，本当にしみじみとした味わいを出していた。欲を言えば，ミヤギのそうした過去をもう少し描いても良かったと思うが，まあ，この監督の売りは，そういう点ではないのだろうから，これはこれでいいのだろう。