[コメント] ポーラX(1999/日=スイス=独=仏)
理解するのではなく、ただありのままを感じろ、と迫る作品。
カラックスの鮮烈なイメージの断片が、見事に具現化されている。 その映像の強烈さには誰もが腰を抜かす作品であることは間違いない。内容の批評はどのような言葉でもってしても私には不可能なので触れない。
K・ゴルベワ、G・ドパルデューの役への入れ込みようが物凄い。どこまで深く役にコミットしているのか、素人には想像だけでそら恐ろしい。演じるという以前に、ほとんど役と同化している。G・ドパルデューに「僕はもうからっぽだ。」と言わしめた『polaX』はやはり強力としか言いようがない。
壮絶・重厚・鮮烈としか言いようの無いこの作品を嫌悪する人も多いが、私はなぜこんなに惹かれるのか未だに不明。寝る前に『polaX』をつけっぱなしで論文や考え事をすると頭が冴えに冴え、はかどるという法則を発見。頭の奥の静かな場所の感受性が全開になる作品だ。
とにかく作品を見るだびに、自分の内にある未だ見ぬ新しい領域・感覚を目覚めさせてくれる、カラックスのあふれんばかりの才能にひれふすばかりです。
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