[コメント] 座頭市と用心棒(1970/日)
シリーズ20作記念作品は、座頭市版『黄金』。 「化け物」と「獣」の睨み合いに第三の男として「ドラキュラ」が参戦してから俄然面白くなる。 仕方ないのだろうが、勝新と三船の見せ場の“棲み分け”が、お互いのキャラの魅力を半減。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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クライマックスで砂金に群がる滝沢修と息子(米倉斉加年&細川俊之)達の狂言じみた大芝居は、シェークスピア悲劇を見てるかのようだ。おそらく、演出的にもそれを狙って演劇界出身の彼らをキャスティングしたのだろう。
本作は座頭市(勝新)×用心棒(三船)という不世出の時代劇キャラ同士が夢の競演。素直に楽しめばいいのだろうが、頭脳的な駆け引き面での見せ場は全て「化け物」勝新が持っていきすぎて、三船が本当にタダの「獣」に見えて仕方がなかった。その代わりに、稀代のドラキュラ俳優岸田森というボスキャラ退治の役目は、勝新ではなく三船に譲られるのだが。 「用心棒」というキャラの魅力は、一見は野獣のように見えて、実は頭もキレるナイスガイという所だと思う。今回の用心棒には若尾文子は惚れんだろう。
二人の本格的な対決は期待してなかったが、さすがサービス精神旺盛の勝プロ&喜八監督、最後の最後にきちんと刃を交えて対決する見せ場が用意されている。勿論、勝負つかずの結末だけどね。それは仕方あるまい。(3.5点)
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