[コメント] 蜘蛛女のキス(1985/米=ブラジル)
どこの国?時代はいつ?ファシストとは誰? 以前に読んだ本のページを頭の中でめくっている間に、すうっと映画にはまり込んでいる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ブルジョワの女性マルタ(ソニア・ブラガ)を愛してしまったバレンティン(ラウル・ジュリア)は、自分のしていることがいつか彼女の生活を脅かすかもしれないと、複雑な思いを抱えながら、別れを告げた。 無骨な革命の闘士にしか見えなかったバレンティンの、想っても報われない愛の苦しみ。 それを見てしまったモリーナ(ウィリアム・ハート)が、彼を愛するようになる気持ちがなんだかわかる気がする。
バレンティンから、リディア(同志)の連絡先を聞く時、モリーナはその後何をするか決めていた。 その後の数日間、モリーナがどんな思いで過ごしたか、それが、表情や息遣いから、痛いほど伝わる。 警察から、見張られているのはわかっていた。優しい母と、ひっそり息を殺して生きていくことも出来たかもしれなかった。 でも、モリーナは、死を選んだ。バレンティンを愛した証しに。
拷問でずたずたになり、モルヒネでやっと眠りにつくバレンティン。 どうぞこの幸せな夢のなかで、ずっと眠らせてあげて、と願わずにはいられなかった。
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