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[コメント] 救命士(1999/米)

日常に疲れた男の話。その鬱憤は、タクシードライバーは他者へと、そして救命士は自己へと向けられる。
蒼井ゆう21

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







タクシードライバーは、70年代が舞台だった。そこには、ベトナム反戦運動など、自分がつらいのは自分以外の何かのせい、と信じることができる何かがまだ残っていたように思える。 だからタクシードライバーでは、その鬱憤が他者へと向けられた。 しかし、救命士の舞台、90年代は自分を苦しめる明確な何か、というものが わからなくなってきた。だからこそ、救命士ではその鬱憤が他者ではなく、自己へと向けられるのではないだろうか。 もちろん、トラウマや単純に仕事などの原因も考えられるが、 他の登場人物を見ても、それだけでは考えられにくい、 何かしらのキツさというのを感じた。

(評価:★5)

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