[コメント] 秋のソナタ(1978/スウェーデン)
この映画を観て、バーグマンを許した。
思えばあまりにも有名なロマンスとその破局や、三十路を越えながらもジャンヌ・ダルクを演じたりと、彼女の映画人生は、どこか情熱が空回りしていたような印象を否めない。しかしこのイヤミなまでにハマリ役を演じたこの映画で、ようやく彼女は自分の居場所を見つけたに違いない。力演が最後まで空回りに見えなかった。それどころか、呆然として涙を流す場面では、彼女の演じることへの至福すら見て取れた。おそらく他人を演じられる程器用ではなかったにも関わらず、演技者としての夢をひと一倍持っていたということは、悲劇的といえるのかもしれない。役者人生の終りに差し掛かろうとしてた最後の時を、演じることの喜びで終わる事が出来たことに心から祝福を送りたい。
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